鼻・アレルギーの病気
アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)
どんな病気?
花粉やハウスダストなどの原因物質(アレルゲン)を吸い込むことで、鼻の粘膜にアレルギー反応が起こる病気です。「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」が3大症状です。スギやヒノキだけでなく、最近はイネ科やキク科などの雑草による花粉症も増加しています。
主な検査
鼻粘膜の観察に加え、血液検査で原因物質を特定します。
治療について
抗アレルギー薬の内服や点鼻薬が中心です。当院では根本的な体質改善が期待できる「舌下免疫療法(スギ・ダニ)」や、頑固な鼻づまりに対する手術も選択肢となります。また難治性のスギ花粉症に対しては生物学的製剤(商品名:ゾレア)による治療も有効です。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
どんな病気?
鼻の周りにある空洞(副鼻腔)の炎症が長引き、膿が溜まってしまう状態です。ドロッとした鼻水、鼻づまり、頭痛、鼻茸(ポリープ)による嗅覚障害などが起こります。副鼻腔炎には、好酸球性副鼻腔炎、歯性上顎洞炎、副鼻腔真菌症など様々な種類があり、その種類を正しく知ることが治療の第一歩になります。
主な検査
内視鏡(ファイバースコープ)で鼻茸の有無を確認し、CT検査で炎症の広がりを詳しく調べます。
治療について
鼻の洗浄や膿の吸引などの処置、ネブライザー治療、抗生物質や点鼻薬などの薬物療法を組み合わせて治療します。改善しない場合は、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を検討します。
好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)
どんな病気?
指定難病にもなっている難治性の副鼻腔炎です。白血球の一種「好酸球」が鼻粘膜で異常増殖し、多発性の鼻茸(ポリープ)や強い嗅覚障害を引き起こします。粘り気の強い鼻水を伴うのも特徴です。気管支喘息やアスピリン喘息を合併しやすいのが特徴です。
主な検査
内視鏡検査、血液検査、CT検査、および鼻茸の組織検査を行い、診断基準に基づいて診断します。
治療について
従来の手術に加え、術後の再発があった場合でも最新の「生物学的製剤(自己注射薬など)」を用いた治療が非常に効果的です。難病申請のサポートも当院で行います。
歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)
どんな病気?
虫歯や歯周病など、歯の感染が原因で副鼻腔に炎症が及ぶ病気です。片方だけの鼻づまり、頬の痛み、嫌な臭いがするのが特徴です。
主な検査
CT検査で歯の根元と副鼻腔のつながりを確認します。
治療について
抗生物質による治療とともに、歯科での原因歯の治療が必須です。重症の場合は、鼻から膿を出す手術を行うこともあります。
副鼻腔真菌症(ふくびくうえんしんきんしょう)
どんな病気?
副鼻腔の中に「カビ(真菌)」が繁殖して塊(真菌塊)を作る病気です。多くは片側に起こります。頬の痛みや色のついた鼻水が出ることもありますが、実はほとんどの方が無症状です。そのため、脳ドックや頭痛の精査で撮影した脳のCT・MRI検査などで偶然発見されるケースが非常に多いのが特徴です。放置すると、真菌が稀に周囲の臓器(目や脳、血管)へと浸潤し、深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の正確な診断が求められます。
主な検査
CT検査で、真菌に特徴的な「石灰化(白い影)」の有無を確認します。周囲の組織への広がりを詳しくみるために、MRI検査を併せて行うこともあります。
治療について
飲み薬(抗真菌薬)の効果は限定的であるため、内視鏡手術でカビの塊を根本からきれいに除去する治療が一般的です。手術が必要な場合は、適切なタイミングで専門病院をご紹介いたします。
アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS)
どんな病気?
鼻の中に存在する「カビ(真菌)」に対して、体が過剰なアレルギー反応を起こしてしまう病気です。通常の副鼻腔炎よりも粘り気が非常に強い、粘土のような鼻水が溜まるのが特徴です。多発性の鼻ポリープ(鼻茸)を伴い、頑固な鼻づまりや嗅覚障害を引き起こします。好酸球性副鼻腔炎と並んで再発しやすく、専門的な診断と治療の継続が不可欠な疾患です。
主な検査
CT検査では、副鼻腔の中に砂嵐のような特徴的な影(高吸収域)が見られます。また、血液検査で血液中のIgE(アレルギー反応の指標)の値を確認したり、カビ(真菌)に対する特定のアレルギーがあるかを調べます。
治療について
溜まっている粘土状の鼻水や鼻ポリープを根本から除去するために、内視鏡手術(ESS)が行われるのが一般的です。手術後は、アレルギー反応を抑えるためにステロイドの点鼻薬や内服薬、鼻洗浄を組み合わせて再発を徹底的に防ぎます。
鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)
どんな病気?
鼻を左右に仕切る壁(鼻中隔)が強く曲がっている状態です。それ自体は病気ではありませんが、曲がりが強いと頑固な鼻づまりや鼻出血の原因になります。
主な検査
内視鏡検査とCT検査で、骨と軟骨の曲がり具合を立体的に評価します。
治療について
鼻中隔彎曲そのものがお薬で治ることはありませんが、まずは症状を緩和させるためにお薬を使います。それでも症状が改善しない場合は、曲がった骨を矯正する手術(鼻中隔矯正術)が選択肢になります。
鼻の骨折(鼻骨骨折)
どんな病気?
事故やスポーツなどで鼻を強く打ち、鼻の骨が折れてしまった状態です。鼻血、腫れ、鼻の変形などが起こります。
主な検査
当院ではCT検査が可能です。その場ですぐに骨折の有無やズレの程度を正確に診断できます。
治療について
骨のズレが大きい場合は、受傷から1週間〜10日以内に元の位置に戻す処置(整復固定術)が必要です。適切なタイミングで専門病院をご紹介します。
オスラー病(HHT:遺伝性出血性末梢血管拡張症)
どんな病気?
全身の血管に「血管奇形」ができ、出血しやすくなる遺伝性の病気です。最も多い症状は「繰り返す頑固な鼻血」です。
当院の役割
オスラー病は診断が難しく、見過ごされていることも少なくありません。当院では専門的な知見に基づき、鼻出血のコントロールや全身スクリーニングの必要性についてアドバイスを行い、専門医療機関と連携してサポートします。
PFAS(花粉-食物アレルギー症候群)
どんな病気?
花粉症の方が、特定の果物や野菜を食べた時に口の中がかゆくなったり腫れたりする症状(口腔アレルギー)です。花粉と食べ物のアレルゲン構造が似ているために起こります。
主な検査
問診で原因食物を確認し、血液検査で関連する花粉アレルギーの有無を調べます。
治療について
基本は原因となる食物の摂取を控えることですが、加熱すれば食べられるケースもあります。症状に応じた抗アレルギー薬の処方を行います。
気管支喘息(きかんしぜんそく)
どんな病気?
空気の通り道(気管支)が慢性的に炎症を起こし、狭くなる病気です。鼻と喉、気管はつながっているため、耳鼻咽喉科疾患(特に好酸球性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎)と密接に関係しています。
主な検査
呼吸の状態の確認や、血液検査でのアレルギー評価を行います。
治療について
「One Airway, One Disease(鼻と肺は一つの道)」という考えに基づき、鼻の治療をしっかり行うことで喘息のコントロールも改善させます。必要に応じて吸入薬の調整や専門医との連携を行います。




